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World Championship 2003 2003年9月19日〜25日 とても受け入れたくない現実ですが、僕らの成績は39位。シルバーフリートの4位でレガッタを終えてしまいました。 今年一番の目標だった、ワールドの表彰台は、遥か彼方へ消え去りました。 コンディションは、微風あり強風あり、陸風あり海風ありと、バラエティーに富んでいて、去年のワールドが、ほとんど陸風の強風だったことを考えれば、真のチャンピオンを決めるにふさわしいレガッタだったと言えます。 そして、このコンディションへの対応力こそが、僕らの一番の弱点だと言うことが、よーく分かりました。つまり、ツボにはまれば強いけど、はまらなければ、からっきしダメということです。 スピードもスタートも、決して悪くなかった。むしろ良かった。かなり良かった。この1年間、成長してない訳じゃなかった。 じゃあなんで前を走れないのか。スタート良し、スピード良し。ヨットレースの三大要素のうち、二つは揃ってるのに。そう、もう一つが問題なんです。コースが悪い。 - - - - - - - 予選の初日。この日が全てだったと言っても過言ではありません。抜群のスタートをしていながら、タックのポイントがことごとく悪く、マーク毎に順位を落としていく。 耐えないといけない時に耐えられず、耐えちゃいけない時に耐えちゃう。風のシフトに全然あってない。いま受けてる風が、いつまで続くかが分かってないんですね。 たとえば、上マークまでに風のシフトが3回あるとしたら、タックの回数は当然3回がベストです。5回なら5回。1回なら1回がベスト。これが全然できてなかった。シフトは1回しかないのに、10回ぐらいタックしたり、シフトが10回あるのにドッカーンって突っ込んだり。自然のリズムに合わせて走るという、ヨットレースの基本を外していました。 いくらフネが速くても、スタートが良くても、風の力で走る競技で風に逆らって走ったら、前に行けるはずがないんです。ましてワールドでは。 結局、初日の成績が響いて、シルバーフリートに叩き落とされました。これだけたくさん応援していただいて、情けないことこの上ない。あぁでもこれが現実です。 このまま同じ戦い方をしてもしょうがない。シルバーフリートの中で、僕らは新しい戦い方を模索しました。大きな自然の流れの中で、誰よりも敏感に変化を感じるために。 レース前もレース中も、次のスタートの待ち時間も、海にいる時間の全て風の変化を観察し続け、振れ幅と周期をつかもうと努力しました。そしてそのコンディションに合わせて、タックの回数を変えるレースをしました。 派手な成績じゃありませんが、最後の2レース(2位と7位)は、その戦い方の成果だったと言えます。ジワーッと片方が伸びていく、今まで一番苦手だったコンディションで、辛抱強いレースができました。 - - - - - - - 470がオリンピック種目に採用されて、アテネでもう8回目のオリンピックになります。30年以上の長き戦いによって、トップのレベルは磨きに磨かれ、非常にシビアなものになっています。 女子470ではギリシアが史上初の4連覇を成し遂げましたが、男子470ではそうはいきません。プレオリで勝ったスウェーデンも、ワールドでは20番。去年のワールドチャンピオンも今年は18番。それが今の男子470の厳しさです。 この厳しい戦いを勝ち抜くためには、コンディションは言い訳にできません。来年の最終選考、そしてオリンピック本番。どんなコンディションでも、反省も言い訳もできないからです。残るのは後悔しかありません。 失ったものは小さくありませんが、幸い僕らはまだ、反省できます。出直すことができます。 カディスのワールドで負けたから、強くなれた。いつかそう言えるよう、頑張っていきます。 sailfast | Profile | NEWS | Photo | Diary | Link | BBS | Shop |
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