いま僕は、シンガポール・チャンギー国際空港で、19時間ものトランジットを過ごしています。
予定を早めて、20日の朝、帰国の途につきました。

イェールでは調整不足、スパでも不完全燃焼、そしてキールはキャンセル。結果として、というより、結果さえ出せないような遠征になってしまいました。たくさんの応援をいただいたみなさんに、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

苦しい遠征でした。いままでに経験したことのない、耐え難い苦しみでした。

それはつまり、ヨットに乗れない苦しみ。最高のパートナーと、好きなだけセーリングする。それがいかに幸せなことなのかを、期せずして思い知る羽目になりました。

実は僕も右肘を痛めていて、帰国後すぐに練習できるかどうか、まだ分かりません。

そもそも、僕の怪我がトラブルの口火でした。メデンブリックでの練習中から、右肘に違和感を覚えていたのですが、ポーランドでの練習中にそれが悪化。しかもそのタイミングで、例のサーバートラブルが起きてしまい、その復旧にテンテコ舞いになっている時に、石橋が怪我をしてしまいました。偶然と言ってしまえばそれまでですが、偶然を呼び込んでしまうような自分たちの状態だったと、今にしてそう思います。

自分たちにとって、一番大事なモノは何なのか。それを見失っていたから、怪我なんかしたんだと思います。
サーバーなんか、どうでもよかった。石橋が怪我をしないなら。必死こいてドメインが復旧して、sailfastが元通りになっても、ヨットに乗れないんじゃ、全く意味がありません。

石橋の帰国が決まった日、自分のあまりの腑甲斐なさに、僕は隠れて泣きました。
どうしても自分が許せなくて、涙が止まりませんでした。

一番大事なのは、大好きなヨットを、最高のパートナーと思う存分乗り回せることなのに。人間は病気をしたり、怪我をした時、あぁなんでもっと普段、自分の体をいたわらなかったのかと、いつも後悔します。空気のように当たり前にあるものは、それがないと死んでしまうのに、存在さえも意識しないように。

コンビ結成から3年半。
僕と石橋は、世界中、どこに行っても一緒でした。それこそ夫婦や親兄弟以上の関係です。それが今回はじめて、こんなに遠く離れて、別々の時間を過ごして、お互いが空気のようなものになってたと気づきました。

やっぱり僕のパートナーは、石橋顕しかいません。石橋にとっても、僕しかいないはずです。
僕らはヨットに乗らないと死んじゃいます。そういう人種なんです。 こんなところに書くのもなんですが。

今はまだ、練習の再開がいつになるか、ハッキリと分かりません。
僕の肘も、少し治療に時間がかかるかも知れません。

でも、より速く、強くなるために、この経験が必ず役に立つと思います。

そう、BBSでスーパーサイヤ人って書かれてましたね。その通り！
復活した時は、もっと強くなってるんです。期待してて下さい。（金髪にはしませんよ）

復活！

いや〜ホントあせった。今回はあせった。
実はトラブルの真相は・・・

そう、6月1日の朝のことでした。マリーナでいつものようにメールチェックしていると、
サーバーにつながらない。sailfastもつながらない。

あれ？サーバー落ちてる？
そう早合点した僕は、のんきにBBSにサーバーダウンと書きました。
（BBSは別サーバーなので落ちない）

ま、数時間で復旧するでしょ。そう高をくくって、その日は普通に練習。陸に上がって、家に帰って、ご飯を食べて。ふ〜〜っとソファーに座ったその時、ふとカレンダーが目に入りました。

あぁもう6月か〜、早いもんだ・・・
ん？　6月？？　ん？？？

あ！！

全ての謎が一瞬にして解けました。
ドメインの更新忘れです。や、やってもうた！

sailfast.jpというドメインは、2001年のヨーロッパ遠征中に申請し、4月に取得しました。去年の遠征中には更新のメールが来て、ヨーロッパからお金を振り込みました。が、そういえば、今年は更新メールが来ない。

そうだ！メールアドレスを変えたんだ！

2001年当時に、僕が好んで使っていた、〜@mac.comというアドレスは、昨年10月から有料化され、お金を払わなかったために、消え去りました。しかし、〜@sailfast.jpのアドレスを取得していたので、問題はない・・・ってあるやないか！問題おおありじゃ！更新のお知らせが届かんやないか〜〜！

慌ててインターネットカフェに行って、ドメインを検索してみました。悪い予感は的中。期限の切れたドメインは僕の手を離れ、30日間、管理団体の手に渡るとなっています。

なんてこった！待ってくれ、まだ1日しか過ぎていないじゃないか！

しかし、いくら調べても、ドメインの更新忘れは、救う手段が書いてありません。
「絶対に忘れないで下さい」としか書いてない。

絶対に忘れるなって、忘れちゃったんだよ〜。助けてくれよ〜！

頭の中を、後悔の二文字が駆け巡ります。あぁバカだったバカだった。あんなに大切にしてきたsailfast.jpを、自らドブに捨ててしまうなんて。新規で取得し直すには、最低30日後。しかも誰かと競合すれば抽選になるので、必ず取り直せる保証はありません。

いまさらsail-fast.jpとか、team-sailfast.jpに変える？
イヤだ〜そんなの絶対イヤ。

しかも2003年バージョンのＴシャツを発表したばかり。これじゃ買いたくても誰も買えんやないか！
Ｔシャツにもsailfast.jpってデカデカと入れとるし！

眠れない夜を過ごし、早朝、日本のサポートセンターに電話。

「すいません。更新忘れちゃったんですけど・・・」

「そうですか。残念ですが、新規で取得し直すしかありません。申し込みは45日後からです。」

よ、よ、45日後！！の、の、延びとるやないか！

頭の中は真っ白。
あぁさらばsailfast。主人が6千円を払わないばっかりに・・・

「な、なにか救済措置はないんですか？」

「こちらでは分かりません。いまから言うアドレスにメールを送って下さい・・・」

受話器を置いた僕の顔は、80過ぎの爺さんのようになっていたに違いありません。
頼みの綱はメールのみか・・・

望みを託したメールを送った後、sailfastの引っ越しにとりかかりました。そう、落ち込んでばかりはいられません。できることからやらなくちゃ！データーを昔使っていたサーバーに移し、アドレス帳に載っている全ての人にメールを送り、BBSに書き込みをしました。

そう、今だから言えますが、サーバーダウンと嘘をつき通したのは、ドメインをまかり間違って誰かにとられたくなかったからです。サーバーは落ちていませんでした。すまぬ！レンタルサーバー屋！しばしの間、悪者になってくれ・・・

そうこうしているうちに、サポートセンターからメールが帰ってきました。
おお！復旧申請なるものがあるじゃないか！

・・・ん〜なになに？
添付の同意書と申請フォームをプリントアウトして、必要事項を書いて、署名捺印し、身分証明のコピーと一緒に大至急ファックスしろ？はい！分かりました！いますぐやります！

嬉々としてとりかかりますが、これが大変。

なにせポーランドの、しかもド田舎です。
日本語の書類をプリントアウト？コピー？ファックス？
そんなもの・・・ない！

しかし唯一の希望を捨てる訳にもいきません。町中を走り回り、隣町も走り回り、なんとか無事ファックス送信。そして待つこと二日。復旧申請が許可され、復活にこぎ着けたのです。やった〜〜！！

やれやれ・・・もうこんなトラブルは懲り懲りです。
2005年の分まで、お金を払っておきました。もうアテネが終わるまで、大丈夫です。

みなさん、お騒がせしました。
ごめんなさい。以後、気をつけます！

おお、なんてこった！
Ｔシャツを発表したばかりの、この大事な時期にsailfastがトラブった！！

やばいです。相当あせってます。
なにせポーランドにいるから、対応するにも不便で不便で・・・

みなさん大変お手数をおかけしますが、当面の間、アドレスの変更をお願いします。
ハァ〜忙し忙し・・・

sailfast | Profile | NEWS | Photo | Diary | Link | BBS | Shop